墓じまいをスムーズに進めるためには、いくつか気を付けるポイントがあります。
ポイントを押さえることが、墓じまいの成功への第一歩です。
むしろ、やっぱり墓じまいしなくても良いかも、という結論になるかもしれません。
墓じまいで失敗しない、後悔しないための注意点をまとめてみました。
1.元気なうちに墓じまいする
墓じまいは、普通に進めると、意外と時間がかかります。
(ケースバイケースですが、公営・民営の墓地で最低3か月程度、寺院墓地は半年程度みておいた方が良いでしょう。)
とにかく早く始めましょうということではありません。ご自身の体が元気なうちに、余裕をもって考えるようにしてください。
墓じまいは、「生きている間の不安を取り除く」ために行うものです。
時間に追われて後悔を残すようでは、本末転倒です。
2.子供(跡継ぎ)がいる場合は話をする
よくあるのが、高齢に差し掛かった親御さんが、「子供たちにお墓のことで面倒をかけたくない」と言って、子供に相談せずさっさと墓じまいを決めてしまうケースです。
当のお子さんの方は、別に面倒だとも思っていなかったのに、ということもあります。
子供も迷惑に違いないから、という一方的な親心は一旦置いておきましょう。
ご自身がいなくなったあと安心して子供に任せられる環境づくりを、ぜひ子供と話し合いを持ってください。
3.親族には事前に話を通す
お墓に眠る故人の子孫がほかにもいる場合、その人たちには墓じまいしたいということをあらかじめ一言断っておきましょう。
特にお墓の近くに住んでいる人は、日常的にお墓参りをしていることもあります。
勝手に墓じまいをしてしまったことで裁判沙汰になったケースさえあります。

墓じまいで実際に起きているトラブルとは!? – 親族のクレーム・離檀料など
とはいえ、話を通せば余計に事がややこしくなる親戚もいますよね・・・。
難しいところです。
4.遺骨の改葬先は早めに決める
墓じまいするには、今お墓に埋葬されている遺骨の行き先が必要です。
安心できる改葬先が見つからなければ、墓じまいの意味もありません。
遺骨は、骨壺のまま家に置いておくことも可能ではありますが、それは問題の先送りになってしまいます。
今後誰かがその遺骨をどこかに埋葬しなければならないからです。

墓じまいしたら遺骨はどうする?手元に置いておける?
最近は、ほとんどの人が、改葬先に永代供養墓(樹木葬を含む)を選択しています。
跡継ぎがいなくてもよい、という理由で選ぶ人が多いですが、加えて、費用が割安であること、管理の手間がかからないことも大きなメリットです。
何よりご自身が安心できる改葬先を探すことが先決です。

墓じまいの改葬先に「永代供養墓」が最適と言える理由
5.埋葬されている遺骨の数・内容を把握しておく
歴史が長いお墓になると、誰の遺骨が入っているのか分からない、なんてこともよくあります。
「お墓を開けてみないとお骨の数が分かりません」という方も実際結構いますし、事前に遺骨の数を把握できない場合があるのは事実です。
ただ、「開けてみたら遺骨が思ったよりたくさん出てきた」とか「開けてみたら土葬されていた」などという場合は、墓じまいの費用が大きくはね上がってしまうこともあります。
墓じまいをスムーズに進めるため、可能な限り、お墓の中身を把握しておきましょう。
【寺院墓地の場合】1.お寺に電話や郵便で埋葬証明書を求めない
お墓が寺院墓地(檀家墓地)の場合は、実はプラスアルファで注意点があります。
寺院墓地(檀家墓地)にお墓があるということは、お寺の檀家さんになっているということです。
墓じまいをする場合、この檀家の関係をこちらから断つことになります。
今は疎遠になっていたとしても、お寺にとってはつきあいの長い檀家としてみています。
お寺に対して失礼がないよう、墓じまいする場合は事前に「墓じまい」をしたいということを伝えましょう。
できれば、お寺に行って話すのが一番です。遠方などで行くのが難しい場合は電話をしましょう。
いきなり郵送で「墓じまいしたいので埋葬証明書を発行してほしい」などと送り付けるのは、お寺の方もいい気がしませんのでお勧めしません。
お寺が高額の離檀料の支払いを求める、というのも、こういうところに端を発している場合がありますので、気を付けましょう。

墓じまいに付き物(?)の離檀料ってなに?いくらくらい?
【寺院墓地の場合】2.住職に相談してみる
こちらは、寺院墓地ならではのメリットですが、墓じまいについて悩みがある場合は、住職に率直に相談してみるとよいでしょう。
お坊さんは、お経の勉強や修行など、我々が思っている以上(失礼ですが)に教養を積んでおり、悩みなどにはいろいろな解決策やアドバイスを持っています。
「墓じまいしてよいものか」と悩んでいるならそれを素直に話してもよいでしょうし、「今のお墓の維持費が厳しいのでやむなく墓じまいを考えている」などという場合も素直に伝えてみましょう。
ある郊外のお寺のご住職の話ですが、ある老婆が「もう墓の世話ができなくなったのでお墓を閉じたい」と相談してきたものの、お墓を閉じたいようには到底見えなかったため、「お墓の面倒くらいお寺で見てあげてもいいからお墓は残しておきなさい」と言ったこともあったそうです。
相談してみることで、何か良い方向に事が進むかもしれません。
以上、墓じまいで失敗しないための5つのポイント(プラスα)、ご参考になさってください。

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