実はベースボール記念日なんですね。今から遡ること169年、アメリカはニュージャージー州ホーボーケンのエリシアン球場で、史上初の公式な記録に残る野球の試合が行われたことを記念して定められました。
3アウト、3ストライクなど、現行の野球のルールで試合が行われた最初の日、まさに野球というスポーツがスタートラインに立った日なのです。
さて、今日お伝えしたいのはもちろんベースボール記念日ではありません。
6月19日は、とある有名な作家の誕生日、かつ遺体が発見された日として、今もなお多くのファンがその墓所に集う日なのです。
「メロスは激怒した。」で始まる「走れメロス」、「人間失格」などの著作で知られる作家です。
太宰治は、1948年6月13日、愛人山崎富栄と共に玉川上水で入水自殺を遂げ、6日後の6月19日に遺体が発見されました。
奇しくもその日が太宰の誕生日であったことから、6月19日は太宰治を偲ぶ日となり、その日は太宰の晩年の短編小説「桜桃」から、「桜桃忌」と名付けられました。(名付けたのは作家の今官一。)
太宰治のお墓がある三鷹の禅林寺
太宰治のお墓は三鷹市の禅林寺にあります。
禅林寺には、太宰が敬愛していた森鴎外の墓があり、それを知っていたご遺族が鴎外のすぐそばにお墓を建てたということです。
さて、毎年6月19日になると、禅林寺のお墓には多くのファンが集い、桜桃忌にちなんだサクランボやお酒など、多くのお供えがされます。
今年は天気が悪く生憎の雨でしたが、午後2時からは墓前で住職の読経が行われました。
その様子は、東京新聞の記事でも紹介されています。
禅林寺によると、禅林寺周辺には太宰治ゆかりの場所が数多くあり、ボランティアガイドの方々の案内で太宰の足跡を訪ねて散策することもできるとのこと。
三鷹には、「太宰治文学サロン」もあり、直筆原稿の複製や初版本、初出雑誌など様々な貴重な資料に触れることができます。
6年前の2009年は、太宰治の生誕100周年となった桜桃忌は、例年よりもさらに多くの参拝者でにぎわったようです。
太宰治は、三鷹市下連雀、禅林寺の程近くの借家に7年程暮らし、多くの作品をそこで執筆しました。
今もなお多くの人を魅了し続ける文豪の、足跡を一度訪ねてみてはいかがでしょうか。