「私の体にはワインが流れている」の名言を残し、2009年には48歳にして有名パティシエの鎧塚俊彦氏と結婚していた女優の川島なお美さんが、去る9月24日、胆管癌のため亡くなった。(享年54歳)

実は、川島さんが死生観に興味があり、生前に何人もの「墓友」を持っていただことが、ここにきてクローズアップされている。
川島さんは、2013年8月に健康診断で腫瘍が見つかり、一旦手術で回復するも、翌2014年7月に癌の再発が判明、夫の鎧塚さんにに対しては余命宣告がされていたという。
川島さん本人には余命は伝えられなかったが、本人にも覚悟があったのか、昨年、お墓を購入するために都内のあるお寺を頻繁に訪れる姿が目撃されていたそうだ。
その都内のお寺は、東京都港区元麻布にある「賢崇寺(けんそうじ)」。江戸時代初期に佐賀鍋島藩の菩提寺として開かれた、380年の歴史を誇るお寺だ。
そもそも賢崇寺にお墓を持っていたのは、元文部大臣で自民党政調会長も務めた政治家の与謝野馨氏。与謝野氏は友人で経営コンサルタントの堀紘一氏を紹介した。
その後も友人が友人を呼び、作曲家の三枝成彰さん、俳優の奥田瑛二さん、その妻である女優の安藤和津さんと、瞬く間に同じ寺院にお墓を持つ「墓友」のネットワークができたそうだ。
そしてその中の一人である奥田さんが、川島さんにここ賢崇寺のお墓を勧め、川島さんも墓友に加わった。
この「墓友ネットワーク」は、2014年10月には共著で「私の死生観」という本まで出版しており、会食も行うなど、非常に深い交流が行われていたようだ。
結果として、墓友の中でも一番年齢の若い川島さんが最初に亡くなってしまい、川島さんには三枝さん、奥田さんを始め、悲痛な哀悼のメッセージが届けられている。
しかし、このような強いつながりをもって「死」を語れる仲間を持ち、川島さんの最後の余生は非常に有意義で奥深くも、落ち着いたものになったに違いない。