
今回は、日本初の大規模公園墓地で、都立霊園最大の面積を誇る多磨霊園を訪れてみます。
多磨霊園は、府中市と小金井市との境に位置しています。
東京西部に住んでいる方は、運転免許の試験を受けに府中の免許センターに行かれた方も多いと思います。その免許センターの前の大通りを挟んだ向かい南側が多磨霊園です。
JR中央線、京王線から少々離れているので、東京に住んでいても馴染みのない方が多いエリアかもしれません。
多磨霊園には、車、もしくはJR中央線、京王線から路線バスというのがメジャーかも知れませんが、今回は、最寄の鉄道駅、西武多摩川線多磨駅から行くことにしました。
のどかな単線で「多磨」駅へ
JR中央線武蔵境駅で西武多摩川線に乗り替え2駅。
単線はのどかな住宅地を抜け、野川を越えたところで急に視界が開け、両側には緑豊かな公園が広がります。
程なく電車は多磨駅に到着。
この多磨駅、実は15年ほど前まで「多磨墓地前駅」という名前でした。
近隣に住宅が増え、大学や病院が移転してきたことにより、駅名を変える要望が各所から出て、「墓地」という言葉を外すことになったようです。
元は多磨霊園(当時は「多磨墓地」という名前)へのアクセスのために開設された駅でしたが、近年は周辺住民や大学などの利用者が大部分でしたので、ようやく実情が駅名に反映されたとも言えるでしょう。
ちなみに、「多磨霊園」も「多磨駅」も、「多摩」ではなく「多磨」と書きます。一般的には「たま」は「多摩」と書きますよね。
これは、多磨霊園開園当時の所在地である「北多摩郡多磨村」が村名に「磨」の字を使っていたことに由来します。そのため、府中市の旧多磨村に存在する「多磨霊園」「多磨駅」「多磨町」などは、「磨」の字を書くのです。
多磨駅については、Kumaさんがまとめてくれたページが面白いですよ。
商店街、そして多磨霊園門前町!?
さて、多磨駅を降りると、目の前は小さな商店街。そこを抜けて人見街道に出ます。
道の両側に並ぶのがたくさんの石材店。まさに多磨霊園門前町といった風情です。
石材店さんでは、霊園に当選したときの石材購入ができるのはもちろんですが、お墓参り用のお花の販売や、お店によってはお食事処があるところもあります。
多磨霊園と歴史をともにしてきたお店も多く、建物は年季が入って風情があります。いろいろなお店を回ってみるのもおもしろいですよ。

石材店を横目に5~6分ほど歩くと、多磨霊園の正門に到着します。門の前にはつつじが植えられており、5月頃にはきれいなピンク色に染まります。

正門に到着。その奥にはディズニーランド2つ分の…
正門から入ると、整備された車道と多くの樹木、植栽が広がり、ベンチで休むこともできます。
ここからは墓石が見えるわけではなく、公園のような雰囲気です。
何せ多磨霊園は、広さが128ヘクタール、東京ドームなんと約100個分、ディズニーランド2つ分以上、ぐるっと外周を回ると4キロ以上というとんでもない広さを誇ります。
んー、これは徒歩で来たのは間違いだったかな…、という後悔も頭をよぎります。
正門を入ってすぐ右側は管理事務所、左側には合同埋蔵施設と呼ばれる合葬墓があります。
管理事務所へ。申込も可能。

管理事務所の開所時間は8:30~17:15。管理業務のほか、申込期間には申込書の配布、申込の受付も行っています。
その他、園内マップのほか、園内の植物の見どころの案内パンフレット、有名人のお墓の案内マップなども置いてあります。
また、車イスの貸し出しもできるので、足腰の悪い方、お年寄りも安心ですね。
大きな謎の建物が!?
管理事務所を出ると、右手にひときわ目を引く、大きなモニュメントのような建物があります。

きれいに整えられた芝生に囲まれ、石造りの回廊が続くその建物はさながら神殿のようなオーラをまとっています。
この建物こそ、実は多磨霊園を彩る名建築のひとつなんです。
次回はこの建物に入ってみることにします。
⇒次回、多磨霊園の名建築をご紹介!


