前回は青山霊園の南エリアを探訪しました。
>>青山霊園を散歩してみた(1)
さて、今回は青山霊園を東西に貫く広い道を越えて、北側のエリアに入ります。
この辺りまで来ると、霊園は傾斜がなくなり、青山通り方面までほぼ平坦な場所が続きます。
その前に、この交差点にはトイレがあります。ここを過ぎると青山通り近くまでトイレがありませんのでご注意を!
みんな知っている忠犬の碑
東のエリアに入って見ましょう。
通路沿いに、上野英三郎という人のお墓があります。そう、この人が、あの渋谷駅に立つハチ公像のモデルであるハチの飼い主だった人です。
お墓の脇には、忠犬ハチ公の碑が建てられています。
上野先生は、明治・大正時代に農業土木学研究の第一人者として、耕地の整理などに大きな功績を残し、東大教授まで務めました。
ハチは生後間もなく、愛犬家だった上野先生に引き取られ可愛がられますが、わずか1年4ヶ月後、上野先生が脳溢血で亡くなってしまいます。
ハチは、先生の死後しばらくして、上野先生が帰宅する時間帯に渋谷駅に出没するようになりますが、当初は人々に虐待を受けるような状況でした。
それを哀れんだ日本犬保存会初代会長・斎藤弘吉氏は、ハチ公が飼い主の帰りを待つ悲しい事情を朝日新聞に投稿したところ、その記事が大きく取り扱われ、ハチは一躍人気者になったといいます。
その時、上野先生の死後既に7年を経過していました。それから3年後、ハチは亡くなりますが、上野先生のお墓のそばに、忠犬ハチ公の碑が建てられて今に至ります。
維新の三傑はお墓も立派!
南北のメインの道路をまっすぐ進んでしばらく、右に少し入ったところ。
そこにはひときわ立派なお墓があります。
なんと入り口には鳥居まで!
ここは、明治維新の三傑と言われた大久保利通公のお墓。
近代日本を作り上げたその功績が偲ばれます。
青山霊園の中でも随一の広さと立派さを兼ね備えたお墓と言って良いでしょう。
青山霊園にもある、新しいお墓の形
さて、今度は、一般の方のお墓になります。
ここは、立体埋蔵施設、と呼ばれる、合祀墓です。
最近増えて来た新しい形態のお墓として、青山霊園に建立されました。
当初20年は壁面に名板が設置され、遺骨は個別の骨壷に埋葬されます。その後は、共同埋蔵施設の骨壷に共同埋葬されます。
こちらの立体埋蔵施設では月ごとの管理料が発生せず、管理も霊園側で行ってもらえます。
つまり、跡継ぎやお墓を守ってくれる人がいない場合でも持つことができるお墓なんですね。
最近は、自分の子供に墓守という負担をかけたくない、というご夫婦の利用も多いようです。
なお、現在はいっぱいで新規申し込みは受け付けていないようですね。。。残念!
ようやくゴールの管理事務所!
さあ、いろいろなところを回り、青山霊園の北の入り口、正門に来ました。
ここに青山霊園の管理事務所があります。
南の入り口からいろいろ見回ってここまで、軽く1時間以上かかりました。
都心にありながら、広大で静か、溢れる緑にあふれ、大きな空と涼しい風を感じられる青山霊園を、皆さんも一度訪れてみてはいかがでしょうか。