[レポート]都立霊園に申し込んでみる(3・いざ抽選会)

こんにちは。公営霊園なび編集部のコタロウです。
まだ8月だというのに、台風だなんだで急に寒くなってきましたね。
皆さんお風邪を召さないよう、お気を付けください。

運命の抽選日

さて、前回、Mさんが都立霊園の申し込みをされました。
都立霊園に申し込んでみる(2・郵送で申込)

Mさんが申し込んだ小平霊園の樹林型合葬埋蔵施設(生前・遺骨2体)区分については、昨年も非常に倍率が高かったのですが、今年もやはり例年通りかなりの人気が集まり、募集172組に対し申し込みは3830人、なんと22.3倍という高確率となってしまいました。

抽選会は8月27日。抽選会に参加する必要はまったくなく、後日抽選結果も郵送されてくるのですが、せっかくの公開抽選会なので、筆者が観覧に行くことにしました。ちなみに平日なのでMさんはお仕事で欠席です。

朝からの行列 テレビカメラも

さて、抽選は、朝9時半から、霊園・施設別に17時まで行われます。
場所は都庁に隣接する都民ホール。

小平霊園樹林型施設は一番最初、9時半からの抽選です。

ということで、9時過ぎに乗り込んだのですが、すでに会場は多くの人が会場外のスペースで待っている状態。
テレビカメラや、記者と思しき人も何人も見受けられます。
開場は抽選開始10分前の9時20分とのこと。観覧希望者は行列を作って入場を待っている状態です。

9時20分になると開場。ホールはだいたい300席くらいでしょうか。最初は空席も目立ったものの、抽選が始まる頃には席も9割方埋まり、注目度の高さを感じます。
ざっと見た感じ、観覧者の年齢層は、60~70代が大部分と思われます。60代以下の世代は仕事という人が多いでしょうから、一概に観覧者の年齢層=申込者の年齢層とは言えないでしょうが、生前に自分のお墓を求める高齢者が多いことは事実であろうと推測されます。


テレビカメラも入っています。

いよいよ抽選開始

9時半になるといよいよ抽選開始。
まず、抽選方法の説明が始まります。

都立霊園の抽選方式は、「一連番号方式」と呼ばれる方法を取っています。
マンションなど、当選者をたくさん選ぶ抽選でよく採用されている方法です。
そして、使われる機械は一般的ないわゆるガラポン抽選器です。

この方式だと、3000名から1000名を選ぶ抽選でも、ガラポンを34回まわすだけで済むうえ、使う玉も0~9の10個で良いんですね。
初めてこの方式の抽選を見たのですが、とても合理的です。

さあ、いよいよ抽選を中継リポート!と言いたいのですが、何と抽選中は撮影禁止とのこと、、、無念です。
残念ですが、ここは記事だけでご容赦ください。

徹底した公平な抽選

都立霊園の抽選は、公開抽選であるためコネなどの不正は一切通用しない、という情報は得ていましたが、その抽選は想像以上に徹底されたものでした。
まず、抽選開始前に、観覧者から立会人二人を選びます。立会人は、ガラポン抽選器で選んだ球の数字の最終確認をすることになります。
ガラポン抽選器に入れる玉についても、抽選器に入れるたびに、玉の数字に不正がないか、立会人が確認します。
立会人が確認した玉をガラポン抽選器に入れるときも、透明な入れ物を使い、毎回見えるところで入れるという徹底ぶり。ガラポン抽選器も透明なので、中の玉の様子ははっきり見ることができます。
ガラポン抽選器を回して玉を出したときは、1回1回係の人が拾い上げて番号を読み上げたうえ、会場の観覧者に見せます。(もっとも、玉は小さいので客席から玉の番号を判別することはほぼ不可能です。)その後、立会人が玉の番号を確認し、そこで初めて引き当てられた番号が確定します。

いやー、こんなにちゃんとやってるんですね。(失礼)
玉を拾い上げる係の女性が超一流マジシャンでもない限り、不正は不可能な感じです。

そして気になる結果は・・・

さて、この抽選、1の位、10の位、100の位、1000の位それぞれの数字の優先度を抽選しますが、その中でも1の位が一番優先度が高く設定されています。

どういうことかというと、今回のように倍率が20倍を超えている場合、1の位で最初に自分の数字が引かれなかった場合は、そこで落選が100%確定してしまうのです。
何とも残酷ですね。
しかも、抽選で最初に行われるのが1の位なのです。

今回、Mさんの受付番号は***6番です。
moushikomi
(一応Mさんのプライバシー保護のため、1の位以外は隠させていただきます。)

最初の番号が高い高い第一関門。この壁を越えなければ、あとは長い消化試合が待つことになります。

南無八幡大菩薩、願わくばMさんのためにも「6」を引きたもれ!!

ついに引かれた最初の抽選番号。

ガラガラガラ、チン!
(この抽選器は玉が出るときに「チン」と2分でご飯が炊きあがったような音がするのである。)

そして、玉を拾い上げた女性の高らかな声が会場に響くのでありました。

「8番!8番です。」

・・・・・

チーン。

はい。残念ながら、Mさんの落選が決まってしまいました。

同時に、会場にいる人の大部分も、ここで落選が確定したことになります。

引き続き、抽選は淡々と進みます。
そしてすべての番号が引かれ、当選番号が確定しました。

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さすが観覧者の皆さんも大人です。
「ヨッシャー!」
「ヤッタ!当たった!」
などと無粋に叫んだりする人は誰ひとりいません。
しかし、現実は残酷に勝者と敗者を分けました。

結果は即時ギャラリーに掲示

抽選が終わると、ホール外のギャラリーに当選番号が掲示されます。
抽選後、会場内ですべての番号は表示されないので、観覧者は抽選後ギャラリーへ大移動することとなります。

ここでは、新聞やテレビのインタビューもかなりされていました。

さて、Mさんには辛い報告をせねばなりません・・・。
昼休みの時間、Mさんに連絡しました。

(画像はイメージです)

トゥルル、トゥルル・・・
Mさん「はい。もしもし。」
コタロウ「あ、Mさんですか。コタロウです。抽選結果が出ました。」
M「あー、どうでした?」
コ「(あれ、なんかテンション低いぞ??)それがですね・・・」
M「・・・・」

コ「・・・・ダメでした。」

M「そうでしたか。しょうがないですね。わざわざ抽選見てきてもらってありがとうございました。」
コ「いえ、そんなお礼なんて。こちらこそ若干無理言ったかもしれないのにスミマセン・・・。」
M「いやー、まあ20倍って聞いてたので、正直当たるイメージはなかったです。」
コ「ええええ、そんなぁ。」
M「でも両親もまだしばらくは元気でしょうし、お陰様で申し込み方やお墓のことも分かったので、また来年も申し込んでみますよ。」

いやはや、Mさんがいい人で良かった。
その後、Mさんからご両親に報告した件も連絡をもらいました。Mさんご両親も、家族でお墓のことをちゃんと考えるなんてなかったので、いい機会になったとおっしゃってくれたとのことでした。

次回申し込まれたときは、きっと当選できることを、コタロウ、祈っております。

しかし、都立霊園の当選ハードルはやはり高かったのでした!