前回もお話ししましたが、一般的に「○○家之墓」とか「○○××之墓」などと刻まれている部分は「石碑」あるいは「棹石」「竿石」(さおいし)と呼ばれ、お墓の一番重要な部分の一つです。
この部分が傾いてしまうと見た目に良くないだけでなく非常に危険であり、最悪お墓が倒壊してしまう可能性さえあります。
棹石の傾きの原因はいろいろありますが、一番多いのが地盤の緩み・傾きに起因するものです。
重要なのはお墓の基礎

最近のお墓は、家と同じように、鉄筋コンクリートで基礎・地盤を作りその上に石碑を建てています。
しかし、ひと昔前のお墓では、そのような固い地盤を作ることはありませんでした。極端な話、土の地面の上に墓石を置いた、というようなお墓も見受けられます。
基礎地盤がない場合、地面の土は雨によって緩み、石の重みによって墓石は不動沈下を起こします。
地震があれば、不動沈下は一気に進むこともあります。
もう一つ、墓所内に木が植えてある場合、その木の根がはびこって地面を盛り上げ、墓石を傾けてしまう場合があります。
植木は剪定などこまめなメンテナンスを行わないと、想定以上に木が大きくなってしまい、石碑を傾ける、外柵を壊す、など予想もしていなかった被害を起こします。
頻繁にお参りできないお墓に植木があるときは、早めに思い切って抜いてしまうのも一つの手です。
不動沈下をなおすには

墓石が不動沈下している場合、それを修復するには、建っている地面を水平に直すしかありません。
従って、
- 一旦、現在建っている墓石を取り除く
- 地盤を水平・平らに修復する
- 墓石をその上で組み直す
という手順が必要になります。
地盤を修復する際には、鉄筋コンクリートの基礎を打つのがベストでしょう。
耐震性能が格段に上がるだけでなく、将来的に石碑が傾く可能性も抑えられ、また、雑草もはびこりにくいと、大きなメリットがあります。
費用は、墓地の広さや石碑の大きさなどがかなり変わってきますが、1㎡程度の墓所でだいたい20万円程度から(基礎地盤工事付き)というのが目安になるでしょうか。
石碑の傾きでお悩みの方は、お気軽に一墓一会にご相談ください。