一墓一会のお墓工事ご紹介プロジェクト、今回は山の斜面に立つお墓のリフォーム工事です。
お墓の外柵、そしてその土台からすべてをリフォームされるとのことで、お墓のリフォーム工事としてはかなり大掛かりなものと言ってよいでしょう。
最近は、通路がきれいに整備され、車イスでもスムーズに入れるバリアフリー対応の霊園・墓地もかなり増えています。
新設の墓地ではそれが当たり前になっていると言ってもいい程かもしれません。
しかし、元々お墓というのは、お寺の境内の裏の山の斜面や谷間にある、というのが普通でもありました。
そういった墓地では、トラックや重機が入れないがためにお墓の工事が非常にやりにくかったりもするのですが、もちろん、工事ができないなんてことはありません。
むしろ、斜面など地盤が不安定な場所こそ、お墓のリフォームをして地盤からしっかり強化しておくべきとも言えます。
今回取材した墓地は、鎌倉市のとあるお寺。700年近い歴史を誇る名刹ですが、墓地があるのは裏の山手。
両側から尾根が迫り、上の方はかなり急な斜面になっていますね。
まずは地盤から
さて、今回リフォームするお墓は、この急な斜面の途中に位置する1坪ほどの区画。
石という石にコケがむしており、このお墓の歴史を感じずにはいられません。
実は、このお墓の所有者の方は、まだ遺骨がないため外柵だけ作り、墓石は建てていらっしゃいませんでした。
それにしても、これだけコケが生えると、外柵の石の劣化も相当なもの。また、石のすき間にコケや雑草が入り込んでいて、耐震性についてもよろしくない状況になっています。
こうなってしまうと、お墓の掃除やお手入れもとても大変。きれいにする気力も失せてしまいます。
まず、現在のお墓を撤去し、地盤を整備します。
お墓を撤去し、地面を少し削ったところです。
お墓は、墓石の下に納骨庫(カロート)を設置しますので、結構深く掘らないといけないのです。

地盤の形を整えたら、基礎となる砂利を敷きつめ、念入りに突き固めていきます。
何事も足元が肝腎です。

地面を固めたら、次は鉄筋を敷きます。
こうやって結構な密度で鉄筋をいれることにより、地盤を強くします。

最後にセメントを流し込んで地盤は完成!
そう、鉄筋コンクリートですね。このような、家顔負けの地盤を作ることにより、地震に強いお墓ができるわけです。
セメントを流したら、固まるまでしばらく時間がかかります。
この基礎工事開始からセメントが固まるまでは、だいたい10日~2週間程度の時間を要します。
外柵を作り本体の石を組み上げる
実は、一番時間がかかるのが基礎工事です。
基礎が完成したら、石を積み上げ、お墓の形にしていきます。

まずはカロート(納骨庫)と外柵です。
写真の、外側の石が外柵の土台、内側がカロートになります。
カットされて運ばれてきた石が、それぞれの位置にピタっと収まる様は、まさに見事な職人芸です。

さあ、外柵部分が完成しました。お墓っぽくなってきましたね。
外柵とカロートの間には土を入れてならします。
いよいよ本体工事の開始。カロートの上に、本体の土台となる石(芝台)を載せます。
外柵との間の土の部分にも石を敷きます。土が露出していないので雑草が生えにくく、お手入れのしやすいお墓になります。

芝台の上に、中台・上台と呼ばれる石を組み上げていきます。
石には縦に鉄の芯が通してあり、地震が起きてもずれたり倒れたりしないようになっているんです。
さて、あとは一番重要な竿石を残すのみ。
さあ完成!
コケに飲み込まれそうだったお墓が見事に生まれ変わりました。
手前の階段には滑り止めも付いて、雨に濡れているときのお墓参りでも安全です。
石のすき間はきっちりシーリングされていますので、雑草も生えず、お手入れも非常に楽なんですよ。
リフォーム工事の工期と値段など
いかがでしたでしょうか。
今回のリフォーム工事、工期は約2週間です。
気になる費用ですが、墓石・工事費用すべて込みで、200万円台前半となります。
今回は、リフォームとはいえほぼすべての石を入れ替えていますので、新築に近いものであり、また山の斜面でトラックが近くまで来れず、ショベルカーのような重機も使えないという難点がありましたが、それでもこの料金でスッキリきれいにリフォームできれば安いものだと思います。
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