都立霊園は、都民であれば誰でも申し込めますが、既に都立霊園にお墓を持っている人は、申込について制限があります。(複数の一般埋蔵施設を利用することは不可)
しかし例外として、当選した際には現在のお墓を引き払って改葬することを条件に申し込むことができる埋蔵施設(お墓)があります。
その中でも、合葬墓型の墓地、樹木葬型の墓地については、跡継ぎがいなくても遺骨を都が先々管理してくれる、いわゆる「永代供養墓」です。
つまり、都立霊園の一般墓所に現在お墓を持っている人は、永代供養墓型の墓地の申し込みをすることが可能であり、つまり、都立霊園→都立霊園の改葬によって、実質的な「墓じまい」をすることができるわけです。
今回は、その「都立霊園から都立霊園」で完結する墓じまいについてまとめてみました。
都立霊園にある「永代供養墓」
都立霊園8霊園(青山霊園、谷中霊園、多磨霊園、小平霊園、八柱霊園、八王子霊園、染井霊園、雑司ヶ谷霊園)の埋蔵施設のうち、現在都立霊園にお墓を持っている人が申し込むことができる「永代供養墓」型の施設は、小平・八柱・谷中の3霊園にあり、以下のとおりです。
- ◎ 合葬埋蔵施設
- 小平霊園
八柱霊園 - ◎ 樹林型埋蔵施設
- 小平霊園
- ◎ 樹木型埋蔵施設
- 小平霊園
- ◎ 立体埋蔵施設
- 谷中霊園
合葬埋蔵施設
大きな丘型のお墓の下にある地下埋蔵室に、遺骨を20年間骨壺に入れたまま埋葬します。
その後は、遺骨は骨壺から出されて他の人の遺骨と併せて共同埋蔵されます。
(最初から共同埋蔵されるプランもあります。)
お墓の脇には大きな墓誌があり、埋葬者の名前が刻字されます。
樹林型埋蔵施設
樹木型埋蔵施設
いずれも墓所にシンボルとなる樹木が植わっており、その根本に遺骨を埋葬するタイプです。
「樹林型」では遺骨は合同のカロート内に他の人の遺骨と併せて共同埋蔵されます。
「樹木型」では遺骨は個別に木の根元(土の中に直接)埋蔵されます。
立体埋蔵施設
分かりやすく表現すると、マンション型の合同墓です。
納骨庫となる建物の壁面が埋葬者の名前等を刻字した銘板を掛けるスペースとなっています。
20年間個別に埋葬されたあとは、遺骨は骨壺から出されて他の人の遺骨と併せて共同埋蔵されます。
銘板は共同埋蔵へ移行する際にはずされます。
いずれの施設も、利用開始時に使用料が必要となるのみで、それ以外管理料などの費用はかかりません。
使用料は、1体あたり42,000~188,000円となっています。
都立霊園間墓じまいのメリット・デメリットは?
都立霊園間墓じまいのメリット
・費用が安い
使用料は、同規模・同程度・同エリアの永代供養墓と比べると、やはりかなり安いと言えるでしょう。
特に、合葬埋蔵施設の個別埋葬付プランについては、2体用で14万円(小平霊園)と、個別埋葬期間がある永代供養墓としてはかなり破格の安さと言えると思います。
・都が運営する安心感
運営者は東京都ですから、安定度で言えば日本一でしょう。
財政難で取りつぶされるという心配もなさそうです。
都立霊園のお墓を墓じまいしたいが、都立以外に改葬するのはちょっと。。。という人にもおすすめできます。
・見栄えが良い
東京都が運営するだけあって、正直施設は非常に立派で、管理も素晴らしく行き届いています。
合葬墓なんて無縁墓みたいなものでしょ?・・なんて心配は正直吹き飛ぶでしょう。
都立霊園間墓じまいのデメリット
・抽選倍率が高すぎる
デメリットは、本当にこれに尽きます。
とにかく人気で利用希望者が多く、抽選倍率が10倍を超えるなんてこともザラ。
抽選は年一度。どうしてもという人は、今年からでも申し込むべきです。
運良く抽選に当たったら!?
この場合、申込施設の使用許可を受けた日から180日以内に、現在利用している墓所を原状回復(つまり墓石を撤去)し、墓所を返還しなければなりません。
都立霊園の場合、墓石の撤去については自分で業者を探して発注する必要があります。
これについては、都立霊園以外の場合とやり方は変わりませんので、こちらの記事をご参考になさってください。

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