墓じまいとは、文字通りお墓を撤去することです。
最近では、お墓の撤去に伴って遺骨の改葬を行うこと(永代供養墓への改葬・散骨・送骨・手元供養など)も含めて言うようになりました。
墓じまいが増える理由
なぜ最近墓じまいが増えているのか、というと、主な理由は以下のようにいくつかあります。
1)現在すでに維持管理ができてない
都市部への人口流出はますます加速しています。核家族化は進み、地方の実家を離れて暮らす人は多くなるばかりです。
家の近くにと買ったお墓だったものの、今や誰も近くに住んでおらず放置されたお墓、先祖代々の墓の近くに住んでいる親や家族・親戚が亡くなって継いだものの遠方のためお墓参りができない、というケースがよくあります。
2)近い将来に維持管理ができなくなる可能性が高い
今自分が墓の面倒をみているが、跡継ぎとなる子供がない、あるいは子供が遠方に住んでおり戻って来る見込みがない、などの理由で、お墓の承継者がいない場合です。
最近では、子供がいても墓の面倒を見させたくない、という理由で墓じまいを選ぶ方も増えているそうです。
3)子供や孫に負担をかけたくない
これは、最近顕著に増えているケースですが、当面は自分が墓の面倒を見れるし子供もいるが、お墓を継がせたくない、お墓のことで苦労させたくない、という理由で墓じまいを行うケースです。
今時は親子孫三世代で同居することは稀、となると必然的に住むところも離れてしまい、将来的にはお墓は住まいと遠くなってしまう可能性が高いわけです。
問題を先送りしないためにもということで、お墓の面倒を見れるうちに墓じまいをしてしまう、という人が増えています。このケースでは、立ててからわずか10~20年程度しか経っていない、見た目にはかなりきれいで新しいお墓を墓じまいしてしまうことも多くなっています。
4)お寺との付き合いをやめたい
都会よりも地方で目立つケースですが、お墓があるお寺との付き合いをやめたい、というのも多い理由の一つです。
今や日常のお寺との付き合いがなくなっていることが多く、そうなるとお墓や葬式・法事などで渡すお布施の額は、「高いなあ」「こんなに支払う必要あるのだろうか」と思ってしまう金額ですので、それを負担に感じることになります。これも時代の流れと言えるでしょう。
承継者がいない場合、自分達が死んだ後、お墓は無縁墓になってしまうことになります。
無縁墓になり世話をする人がいなくなった墓は、草木がはびこり場合によっては墓石が倒れてしまうこともあります。
ご先祖が浮かばれないだけでなく、近隣のお墓やお寺・霊園にも迷惑をかけることになります。
将来無縁墓にならないよう、墓じまいなどきちんと対応策を練ることが大切です。
承継者がおらず墓を閉じる場合は、おのずと改葬先は承継者がいなくても供養をしてもらえる「永代供養墓」が選ばれることが多くなります。
承継者がいる場合であっても、将来無縁墓になることがないという安心感から「永代供養墓」を選ぶ人も増えています。
永代供養墓は、承継する人がいない場合でもお寺・霊園の管理者などが無縁墓にせず遺骨の供養をしてくれるお墓です。
埋葬方法は、年限付きの個別埋葬の後合葬するもの、最初から合葬するもの、などいろいろありますが、最終的には合葬されます。
永代供養墓とは?
墓じまいの改葬先に永代供養墓が最適と言える理由
墓じまいの流れ
0)墓じまいすることについて親戚等関係者に承諾をとる
後から改葬されたことを知った親戚と揉める、というのはよくあるトラブルです。事前に事情を説明して伝えるなど、できる限りケアしましょう。
1)現在のお墓の管理者に連絡する
お寺の住職・霊園の管理事務所などのお墓の管理者に、墓の撤去をしたい旨を伝え、必要な手続を確認しましょう。
なぜ最初に現在のお墓の管理者に連絡するかというと、お墓の撤去や遺骨の取り出しに管理者の承諾が必要となるからです。
1-1)公営霊園、民間の墓地(お寺以外)の場合
公営の墓地(地方自治体が運営しているもの)や民間の霊園の場合は、管理者に墓の撤去をしたい旨を伝えれば、必要な手続を教えてもらえるでしょう。
1-2)お寺のお墓の場合
檀家を辞めるに当たってお布施の支払いを求められる、つまり「離檀料(りだんりょう)」を求められることがあります。
一般的には5~30万円くらいと考えて良いでしょう。お寺とのやり取りでは、承諾が得られるよう、丁寧な対応を心がけるようにしましょう。
1-補足)お寺のお墓の場合
改葬の承諾が得られたら、「埋葬証明書」を発行してもらいます。
ただし、埋葬証明書の発行に際して改葬先の「受入証明書」の提出を求められることがあります。その場合は、まず改葬先の墓地に受入証明書を発行してもらいましょう。
2)遺骨の改葬先となる永代供養墓を決めて契約する
新たな埋葬先となる永代供養墓を決めます。
契約すると、墓地の「使用許可証」が発行されます。(事項の改葬許可申請で必要となります。)
「受入証明書」が必要な場合は発行してもらい、それを現在のお墓の管理者に提出し埋葬証明書を発行してもらいましょう。
3)自治体に改葬許可の申請を行う
現在の墓地の所在地となる自治体に改葬許可証を発行してもらいます。
4)現在のお墓の解約・返還手続を行う
遺骨の取り出し、墓石の撤去などは業者に依頼する必要があります。
業者をお寺・霊園の指定石材店から選ばなければならないケースもありますので、事前に確認しておきましょう。
5)遺骨の取り出し、墓石の撤去、墓所の整地を行う
遺骨の取り出し、墓石の撤去、墓所の整地を行います。
(墓石の魂抜きをする儀式(閉眼供養)を行う場合もあります。)
墓石の撤去工事については、指定の石材店が決まっている霊園もありますので注意しましょう。
6)遺骨を永代供養墓に埋葬する
取り出した遺骨を新しく契約した永代供養墓に埋葬します。
ここまでが、墓じまい → 改葬の手順です。スムーズに墓じまいを進めるためにも、手順を確認し十分に準備をしましょう。
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