~エンディング産業展2015~に行ってきました!話題の散骨・手元供養から霊柩車まで

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 12月8日から10日の3日間、日本初のエンディング産業専門展示会「エンディング産業展2015(ENDEX)」が、東京ビッグサイトにて開催されました。

 「エンディング産業」というと、葬儀やお墓、といったところを想像しがちですが、実際は、葬祭具やそれを作る機械、終活の相談や死後委任信託、果ては霊園の清掃器具や霊柩車など、様々な分野に渡っているのですね。
 高齢化が進んで行く現代で、ますます存在感を増しているエンディング業界の今を、この眼この肌で感じてまいりました。

多くの人で賑わう会場、業界関係者だけでなく一般の方々の姿も

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 東京ビッグサイトの西3ホールで行われたENDEX。いや~、ビッグサイトって大きいうえにいろんな展示会を同時にたくさん開催してるんですね。こんな大イベントに不慣れな筆者、すっかり迷ったあげく、ようやく入口にたどり着きました。
 だってどのホールで開催しているのか、ホームページのどこにも書いてないんですから。次からは書いておいて欲しいなあ・・・。

 さて、入口受付は、最終日昼前でしたが受付待ちの人がたくさん並んでいる状況。気を取り直して入場です。

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 こう申し上げては何ですが、想定していたよりかなり混んでおり盛況です。
 業界関係者が大部分と思われますが、一般の方と見受けられる人の姿もあちらこちらに。一般の方の年齢層はやや高く60代前後の方が多いでしょうか。そろそろ終活を真剣に、ということかもしれません。

 ちなみに入口入ってすぐ目に入るのが、

 ドーーン!

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 こちら、光岡自動車のブース。
 光岡の霊柩車なんてあるんですね。意外にも光岡フェイスが霊柩車にマッチしていて、派手すぎず自然な高級感をまとっておりカッコいいです。車好きの故人は喜んでくれそうですね。

 そういえば、最近は木製の屋根付きの霊柩車ってすっかり見なくなりました。
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 なんでもあまりに目立つため、この宮型霊柩車は敬遠されることが多いのだとか。確かにこういう洋型霊柩車の方がスマートですよね。派手すぎて目立つことを好まない、最近の世相がこういうところにも反映されているのですね。
 
 ちなみに、こちらの光岡の霊柩車、お値段は500万円台から。写真奥の白い5人乗りの大きいタイプは900万円前後となっております。

一般にも浸透しつつある手元供養・自宅供養

 次にご紹介するのは、最近一般でも供養の方法として認識されるようになってきた手元供養、自宅供養の関連ブース。

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 こちら、多くの人で賑わう「トータルリビング ユウキ」さん。
 ユウキさんが「ご供養家具」と呼ぶ新しい形のお仏壇です。

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 仏壇でありながら、洋室に置いてもまったく違和感のないデザインと高級感、扉を閉めてしまえば仏壇とは全く分かりません。

 さらにすごいのは、下の扉の中に骨壺がしまっておけるということ。つまり、仏壇でありながらお墓でもあるのです。

「もともとうちは家具屋だったんです。お客様から、部屋の中でお骨を置いておけるような家具が欲しい、というご要望があって、小さいタイプのご供養家具を作るようになりました。すると、もっと大きいサイズで骨壺が入れられるようなものがないか、という方もいて、大きいタイプも作ったところ、そちらの方が需要があることが分かったのです。」(営業主任・小原貴文さん)

 なるほど、家具屋さんだからこそできた発想と商品ですね。

「転勤などがあってどうしても今住んでいるところでお墓が買えない、という方のお求めが多いですね。」(小原さん)

 まさに、現代の事情にマッチしたお墓。
 そして、日本人をご供養する家具としてこだわるのが、すべて国産だということ。意外にもそこを気にするお客さんが多いそうなのです。
 こちらのご供養家具、上の写真にあるもので、約59万円。家具として考えるとかなり高価な気がするが、お墓を建てれば200万円以上、さらに管理費もかかることを考えれば割安であることは間違いありません。
「同じ価格帯のお仏壇と比べてもかなり質の高い家具であることは自信を持って言えます」と小原さんの力強いお言葉。

 現状課題なのは、やはりまだこういった自宅での供養に対して抵抗がある人が、特に高齢の世代では多く、いざ親を自宅供養しようと思ったところ親族の反対にあってやむなくお墓を買った、というケースが多いことだそう。しかし、それも時間が解決してくれる問題とも思えます。

 同じように、自宅で供養できる「手元供養セット」と名付けた新しいタイプの納骨具を提供しているのが「有限会社 濱石(はませき)」さん。
 こちらの「手元供養セット」はなんと6万円からという手軽さ。40センチ四方程度の大きさの石版に半球型のドームが乗ったような形をしている小さなものですが、素材はお墓と同じ御影石。とにかく劣化がすくなく、木製の仏壇などが置けない出窓などにも置け、いつでも手軽にお参りできる、というのが最大の売りだそうです。
 そもそもは、13回忌まで、33回忌まで、と納骨期限が決まっている納骨堂では、期限後遺骨が合葬されてしまうため、それを寂しく思う遺族のために遺骨を少し取って自宅に置いておけるようにと作り始めたのが最初。それが、予想以上に需要があったため、本格的に商品として売り出すことにしたそうなんです。
 
 この「合葬+自宅供養」というのは、新しい供養の形としてこれからどんどん増えていくかもしれませんね。

 
 そして、究極の自宅供養、というより、身に着けてしまおう、というのが、

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こちら「ハートイン・ダイヤモンド・ジャパン」さん。
 
 なんと、故人の遺骨や髪の毛から炭素を抽出し、それをダイヤモンドに加工、指輪やペンダントとして身に着けられるというのです。
 愛する人への究極の供養と言えるかもしれません。

 こちらは展示してあったサンプル。
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 ダイヤモンドに赤やグリーンなどの色を付けることも可能だそうです。

― こんなことができるとは知りませんでした。素敵なサービスですね。
「ありがとうございます。ただ、残念なことに知名度がなかなか上がらなくて・・・。ぜひ今度ショールームもいらしてください!」(代表の萩原さん)

 いやー、それはもったいない。小さなサイトですが、ぜひ取り上げさせていただきますよ。

 ただ、確かに、自分の妻や子供が今死んでしまったらぜひお願いしたいですが、親となると・・・、いつも一緒はちょっと煩わしいかな、なんて思っちゃいますね。あ、それは人それぞれですよね。失礼しました。(笑)
 

話題の海洋散骨と宇宙葬

 さて、次は、最近非常に人気が高いという海洋散骨サービス「琉球海葬」を提供する株式会社パイル21さん。

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 こちらは、北は北海道から南は沖縄・石垣島までの全国20海域での散骨を行えるという本格的海葬サービス。10年以上も前から海葬サービスをはじめ、最近も受注数がどんどん増えているとのこと。
 
 遺骨を洗浄、細かいパウダー状に粉砕したうえで、遺族と共に希望の海域へ。遺骨を海上で散骨し、遺族の手紙・折り鶴・お花・リース・お神酒などを海に流し冥福を祈る、というのが「海葬」のプロセス。
 その後、散骨時の写真や散骨場所の緯度・経度を記した散骨証明がもらえるそうです。
 自然環境に影響を与えないよう、海に流す遺骨はかなりの細かさに、手紙やリースは水溶性でしばらくすると海に溶けて自然に還るようになっているという徹底ぶり。細かくした骨を撒くんだろうか、などと想像する散骨とはかなりイメージが違います。

 驚いたのは、自分の出身地とは関係なく、沖縄の海を希望される方が一番多いということ。家族旅行した思い出の地に、という方が多いそうなのです。
 
 正直、お骨を全部撒いてしまってどこにいっちゃったか分からない、ということにちょっと抵抗のあった筆者ですが、なるほど、昔の家族の思い出の地に、家族の良い思い出を胸にもう一度同じ家族で同じ場所に旅行ができる、と考えると、それは故人にとっても遺族にとっても心に残る素晴らしいお別れなのでしょうね。

 料金は、複数家族で合同で散骨するプランで12万円から、個人チャーター散骨だと20万円前後となっています。

 そして、パイル21さんで扱っているもう一つの話題のサービスが「月面供養」。
 なんと、マイクロチューブに遺骨を納め、それを月面着陸船に乗せて月面に送り、着陸船ごと月に残すというサービス。

 すごい時代になったものです。何せ墓標はお月様。月が見えていればいつでも世界中どこでもお墓参りができるなんて、誰が想像したでしょうか。
 月面供養、料金は50万円からとやはり少々お高め。次回打ち上げ予定は2017年だそうです。

 このブースの隣も宇宙つながり、「宇宙葬」の銀河ステージさんです。

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 こちらでは、先ほどの月面供養のほか、遺骨をロケットで宇宙空間に打ち上げるプラン(宇宙飛行士プラン)、人工衛星に乗せて衛星とともに地球の周りを最長240年回るプラン(人工衛星プラン)などが用意されています。
 過去にも14回、これらの宇宙葬を行った実績があり、スタートレックに出演した俳優ジェームス・ドゥーアンや、日本人では元プロ野球選手の富田勝さんなどが宇宙へ旅立たれたとのこと。
 
 

興味深いサービスがいろいろ

 その他にも、面白いブースが満載でした。

 終活関連では、
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山田エスクロー信託さん。こちらは、自分のお葬式の手続や相続の事務処理など、お金を預託しておいて生前に行えるというサービス。
 核家族化や認知症の増加に伴い、生前に外部第三者に委託するケースが増えているのだそう。

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 「永代供養墓」という言葉もいよいよメジャーになってきた感があります。永代供養墓はこちら写真の方丈さんのほかにも多数出展されていました。

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 お棺を出展していたNK東日本さん。個性的なお棺のインパクトがすごい。おじいちゃんの笑顔にタジタジです・・・。(笑)

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 3万円という驚愕の価格で葬祭業界に殴り込みをかけたイオンさんも。

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 こちらも有名なはせがわさん。「おぶつだんのはせがわ~♪」が有名ですが、仏壇を含めた葬祭具、お葬式から、お墓・納骨堂の運営管理までを手掛ける業界のトップリーダーです。

 本稿で詳しくお伝えできなかったものについては、また機会をみて本サイトで紹介していきたいと思います。

 ではこれにて!